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梵英心内野手・定位置奪回で24年ぶりの歓喜へ

 



 今季に懸ける意気込みは並大抵ではない。広島の選手会長・梵英心は臨戦態勢を整えている。ここ2年はヒザの故障歴も考慮され二軍スタートだったが、3年ぶりの春季キャンプ一軍スタートが決まった。リーダーとして、レギュラーとして。昨年末には「個人的には一軍でやっていきたい。『じっくり』とは考えていない」と公言してまで狙った一軍キャンプだった。正式に決まると「やるからにはずっと一軍でやりたいと思っていた。まずはそこがスタート」と決意をにじませた。

 緒方監督との連絡の中でも、一軍スタートを直訴。燃える男には指揮官も「本人の強い希望もあった。選手会長だし、一軍でチームを引っ張ってもらいたい」と期待を込めた。菊池、丸の若いコンビにリーダーとしての役割を託したものの、やはり梵の力は不可欠。ベテランが懸命に練習する姿は、相乗効果を生むはずだ。若手選手に与える影響も小さくない。

 自主トレは遊撃奪回に向け、みっちりと仕上げてきた。年明けからはチームメートの小窪、會澤、上本を引き連れてグアムに飛んだ。ランニング、ダッシュなどの体力強化を中心にティー打撃やノックも行い、1日10時間にも及ぶ過酷な練習を敢行。12日間、みっちりと鍛え上げた。「全体的にレベルアップできた。体力面で限界まで追い込めた」。34歳、向上心は衰えるどころか大きくなるばかりだ。

 昨季は遊撃で60試合の出場は田中に次ぐ2番目だった。三塁起用のプランもあるが、「サードよりもショートの方がこだわりはあります」と言う。24年ぶりの優勝へ。選手会長はレギュラーとして栄光をつかむつもりでいる。戦いはもう、始まっている。
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