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美間優槻内野手・最激戦区でしのぎを削る若武者

 



 ひときわ大きな声を、美間優槻はグラウンドに響かせる。3年目で初めての春季キャンプ一軍スタートをつかみ取った。同期入団で昨季飛躍した鈴木誠に追いつき追い越せと、食らいつく。開幕一軍どころか、一軍試合出場もない若武者だ。目の前で起きるワンプレー、ワンスイング、すべてを吸収しようとしている。

「まずはしっかり食らいついていくこと。最初の目標は(2次キャンプが行われる)沖縄に行くことです。沖縄キャンプに行く前に、ふるい落としがある。一つずつやっていきたい」

 もともと長打力には定評があった。昨年のウエスタン・リーグでは90試合に出場し、打率.275、11本塁打、49打点をマーク。優秀選手賞の表彰を受けた。緒方新監督の目に留まったのは昨秋のキャンプだった。直球に振り負けないスイングを身につけたことで、自慢の長打力に磨きがかかった。紅白戦では大瀬良から左中間二塁打を放つなど実戦で結果を残し、アピールに成功。スローイングにも安定感があり、一軍キャンプに抜てきされた。

 練習に食らいつくだけではなく、「バッティング、長打力をアピールしていきたい」と話していたとおり、フリー打撃では緒方監督が見守るなかサク越えも放った。守備練習でも新加入の新井と入れ替わりながら一塁と三塁をこなし、無難な捕球と確実なスローイングを見せている。三塁は堂林、新井、小窪、梵らライバルがしのぎを削る最激戦区。「秋季キャンプからあっという間でした、何秒も経っていない感覚」と話すほど、充実した時間を過ごしている。激しい争いからの生き残りへ、美間は今日も泥にまみれる。
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