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山川穂高内野手・自覚が増した大砲が大アピール!

 



 今春季キャンプで最も評価を上げている一人が、山川穂高である。ルーキーだった昨年に引き続き、2年連続のA班キャンプとなっているが、昨年はわずか2日目で古傷である左ヒザの違和感を覚え、そのまま離脱という苦汁をなめた。さらに、シーズン後のフェニックス・リーグ参加中にも負傷離脱し、その後の若手中心で行われた秋季キャンプも不参加。結局、1年目の昨季、山川は一度もまともにキャンプを行えていない。

 大卒選手だったとはいえ、1年目の、体作りの上でも大事な時期に2度もキャンプを回避という厳しい現状に、もちろん誰よりも危機感を抱いているのは本人である。ケガをしない体になるために、今オフ期間中に徹底的に強化を図り、10キロの減量も果たした。見違えるほどキレのある状態でキャンプインした姿に、「体も絞ってきて、動きも良い。1年遅れてしまったけど、自分で自覚して、よく2月に準備してきた」と田邊監督も目じりを下げた。

 コンディション面だけではない。不得手とする内野守備でも、主に一塁手の練習を重ね、時にはミスをしながらも誰よりも大きな声を出し、ムードメーカーとしての役割も買って出ている。また、打撃では、中村とフリー打撃練習で同組。本塁打王のスイングを間近で見つめ、自身が課題とし続けている下半身の使い方などを徹底的に研究している。「上半身だけであれだけ飛ぶんだから、下半身をうまく使えれば、あいつはもっと飛ばせる」と中村も言う。

 2月17日の紅白戦では特大本塁打も飛び出した。ポテンシャルを誰もが認める大砲が、自覚と向上心を数段増し、レギュラー獲りへ猛烈アピールに成功している。
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