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後藤光尊内野手・レギュラー奪取を狙うベテラン

 



 12日間にわたって行われた沖縄・久米島キャンプ。「100点」と評価したキャンプで、大久保博元監督がMVPとして名前を挙げたのが、7月で37歳を迎えるベテラン・後藤光尊だった。遊撃のレギュラーを目指し奮闘する姿に「ギラギラして非常にいい動きをしている」と目を細めた。

 鉄平とのトレードでオリックスから移籍した昨季は不振に苦しんだ。わずか54試合の出場で打率はプロ入り後ワーストの.203に沈んだ。「本当に申し訳ない」と悔しさしか残らなかった。今季は汚名返上のシーズン。「結果を出さないと淘汰される」と、キャンプでは志願の特打を行うなど自らに妥協せず調整を続けた。

 存在感を見せつけたのは2月6日に行われた今キャンプ初の紅白戦。紅組の「五番・遊撃」でスタメン出場。初回の第1打席で菊池から今シーズン“チーム1号”となる2ランを右翼席にたたき込んだ。「欲しいのは結果だけですから」と短く心境を口にした。指揮官は「こちらが言ってもいない特打を申し出たりして取り組んだ結果が出ている」とその姿勢を称えた。

 チーム初の対外試合となった16日の韓国・サムスン戦では2打数2安打。2月中旬にして、状態は万全に近づいている。正遊撃手候補だった西田が2月3日の打撃練習中に自打球を左足甲に当てて骨折。岩崎、ウィーラーらとの競争の中でアピールを続けている。

 ベテランが復権を懸けて臨んだ12日間のキャンプ。指揮官が「わらをもつかむ気持ちでやるのは分かるんだけど、もっとリラックスしてやった方がいいのに」と言うほど、自らを追い込んだ。後藤がシ烈な遊撃手争いで頭一つ抜け出しつつある。
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