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矢地健人投手・結果を求める

 



 中日を戦力外となり、入団テストを経てロッテ入りした矢地健人。1月に27歳となった右腕は、置かれた立場を自覚している。リリーフの一角としての定着を目指し「1日1日の勝負。自分はピンチなんで」と危機感をあらわにした。

 ロッテの救援陣には侍ジャパンの抑えも経験した西野を筆頭に、大谷や益田といった実力者がそろう。希少なサイドスローの速球派というセールスポイントを持つ矢地だが「同じ結果ならオーバースローよりサイドスローの方がいいかもしれないけど、まずは抑えないといけない」とアピールの必要性を口にする。

 沖縄・石垣島でのキャンプを一軍で過ごし、迎えた2月21日。チームにとって今季最初のオープン戦(北谷)は、中日との一戦だった。そして、この試合はロッテの一員としての矢地の対外試合初登板の舞台でもあった。古巣を相手に、8回から登板して1回を3安打1失点。「内角を突かなかったからかなと思う」と悔やんだ。

 この日、直球は最速145キロをマーク。球に力がなかったわけではない。それでも、落合投手コーチは打たれ方が悪かった点を問題視した。「左打者のインサイドを突けていない。ガツッと引っ張られるならいいけど、レフトに打たれているようじゃダメ。本人には厳しく言います」。生き残りを懸ける右腕を、あえて強い口調で叱咤した。

 昨年11月21日には第1子となる長男が生まれたばかりだ。新たな家族のためにも、このまま終わるわけにはいかない。開幕一軍の座をつかみ取り、欠かせない戦力になることができるか。「後は結果。抑えていきます」と、短い言葉に強い決意をにじませた。
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