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相川亮二捕手・21年目の飽くなきチャレンジ

 



 ゼロからのレギュラー争いを望み、実績を残したヤクルトからFA権を行使して巨人に加わった。2月26日に沖縄2次キャンプを打ち上げた相川亮二は「あっという間」と充実の時間を振り返った。

 ブルペンでは積極的に声を掛け、投手陣から信頼を得ていった。細かなところにまで気づき、捕手目線はもちろん、時には打者目線も絡め、相手チームの立場にも立ちながら助言を送ってきた。「1カ月、2カ月、3カ月、半年、1年で。腹の中は分からないだろうし、(相手が)考えていることも分からない。毎日の積み重ね」。経験に基づいた知識を惜しみなく相手に伝え、若手の成長につなげようとしている。

 実戦では早速、その存在感を見せた。24日の韓国・SKとの練習試合(那覇)では代打で左越えに3ランを放ち、「お見事です」と原監督を喜ばせた。ただ、本人は「まだ、ただ打っているだけ」と笑顔はなかった。その真意は打者としてではなく、捕手としての評価を高めていくことが大事だということ。ベテランは「自分自身、全然、納得していない。数字であったり、勝ち負けにこだわってやらないといけない。キャッチャーでしっかりやって、評価してもらえるプレーをしていきたい」と自らに厳しい。

 小林や鬼屋敷の若手に、實松や加藤の経験豊富な捕手たちとレギュラー争いを繰り広げる。「一日一日を大事に、これから過ごしていきたい。(競争に勝ち抜く)それしかない。やるしかない」と余計なことは言わず、言葉に力を込めた。リードやゲームメークなど、捕手としての力を最大限に発揮し、チームを勝利に導く。
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