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岡島秀樹投手・世界一を知る経験豊富な左腕

 



 乾いたミット音がブルペンに響いた。リリースの瞬間、顔を下に向ける独特のフォームも健在だ。岡島秀樹の投球を見守った中畑監督は、思わずのけぞった。「こんなに球が速かったっけ?」。伸びのある直球、低めへの制球はさすが。まだ調整段階の沖縄・宜野湾キャンプから、ワンランク上の存在感を放っている。「最初に高田(繁)GMに声をかけてもらって、ベイスターズにお世話になると決めた。役割にこだわりはない。チームの助けになるなら、僕はどこでも投げるつもりです」。若返りを図るチーム方針もあり、昨年オフにソフトバンクを退団した。新天地に選んだのは救援陣の柱を求めていたDeNA巨人時代の05年以来、10年ぶりのセ・リーグで「(39歳と)年齢はいってるけど、体的にまだまだできる。ボールを見てもらえれば分かる」と力を込めた。

 左の中継ぎでは大原が左肩痛で出遅れ、林にかかる負担は大きかった。ここを補うのが昨年も44試合で27ホールド、防御率2.11と結果を出したベテラン。「岡島に関しては、安心感が違うね」。キャンプ中に左ヒザ裏を痛めるアクシデントがあったが、幸いにも軽症。中畑監督の信頼感は高まるばかりで三上、国吉、エレラと抑えを争わせる構想も広げている。

 巨人、ソフトバンクで日本一を経験し、レッドソックス時代には世界一に輝いた。巨人時代から知る高橋尚とは同い年で「野球ができる喜び。もう1度、かみしめながら貢献したい。若くて勢いのあるチームだし、自分の経験を伝えていきたい」と決意を新たにした。日米通算805試合登板の経験を生かし、期待どおりの働きをしてくれそうだ。
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