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坂田遼外野手・バットで狙う右翼の定位置

 



 田邊監督が今季特に強調しているのが“競争”である。その上で指揮官が「できればポジションも打順も固定したい」とビジョンを描く中で、最もシ烈と目されるのが、昨季固め切れなかった遊撃と右翼だ。特に右翼は昨年から最有力候補として挙がる木村、斉藤に加え、新たに急成長を遂げた梅田、石川といった奪えれば向こう5〜10年はレギュラーを張れる若手がシノギを削っている。その中で、「俺もいるぞ」と言わんばかりにアピールし続けているのが坂田遼だ。

 昨季開幕前に左肩を脱臼し、シーズンを棒に振った。ケガしたこと自体は当然だが、それ以上に落ち込んだのが、「開幕一軍に残れなかったこと」だったと明かす。

「ケガは治るまで何もできないので、逆にあきらめがつきました。それよりキャンプでも調子が上がらず、オープン戦でぜんぜん結果が出ない時期が一番つらかった」

 昨秋に復帰を遂げてからは、徹底的にバットを振り続けた。秋季キャンプでは、患部に若干の痛みを抱えていたが、今はすっかり消えた。「痛みがまったくないのが一番大きい。気持ちよくバットが振れて、良い感じです」。精神的な充実感は結果にも表れる。キャンプ直後の2試合の練習試合では13打数7安打の活躍。また、合宿中には、視察に訪れた日本代表の小久保監督から話しかけられるという一幕もあった。「僕のことを知っていてくれたなんてビックリ」。うれしいサプライズで、さらにモチベーションは上がっている。

「守備で選んでもらえる選手ではないですが、打撃さえ良ければ使ってもらえると思う。ライトのポジションを獲りに行きます」

 左の大砲が本気で宣言だ。
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