昨年までのプロ13年間で904安打、272本塁打の数字を残してきた
中村剛也。14年目の今季、1000安打と300本塁打の達成が視野に入る。さらに仮に1000安打よりも先に300本塁打を記録すれば、
田淵幸一氏以来のレアケースとしても歴史に名を刻むことになる。
いずれも、可能性は十分だ。ただし、『年間通してフルで出場できれば』という条件がつく。一昨年、昨年と2年連続でケガのため開幕二軍スタート。昨季は4月25日という早い段階で一軍復帰できたため、最終的に規定打席に達したが、実は、これが中村にとってはカギ。過去12年(一軍出場のみ)の成績を振り返ると規定打席に達した2008、09、11、12、14年の5シーズンすべて本塁打王に輝いているのである。つまり、年間通して出場できれば、必ず結果を残すという何よりの証明だ。
それを踏まえれば今季も規定打席にさえ立てれば、28本塁打はほぼ確実。過去データ上、安打の3本に1本が本塁打という割合から考えても96安打もクリアするに違いない。あとは、どちらを先に記録するか。珍記録の可能性を初めて知ったホームラン主義者は「300号の方が早いんじゃないですかねえ」と色気たっぷりだ。
球界屈指の本塁打王として、毎年『最多本塁打記録』樹立を期待される宿命も背負う。昨季オープン戦でワキ腹を負傷し、離脱したということ、昨秋受けた右ヒジ遊離軟骨除去手術の影響から、今年は自主トレから慎重に、しかし確実に調整を進め、最高の状態で開幕2週間前を過ごしている。常に「打てるだけ打ちたい」と話す
西武の主砲。自身6度目のホームランキング獲得へ向け、視界は良好だ