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小山伸一郎投手・節目の500試合登板へ

 



 史上95人目の通算500試合登板は、リリーフとして生きてきた小山伸一郎にとって誇りになる数字だ。達成まで残り20試合。キャンプから一軍帯同を続ける19年目右腕は「プロに入ってタイトルは取れてないんですけど、500試合というのは誇れる記録」と言葉に力を込めた。

 昨季中に達成するはずだった。だが、1月に右ふくらはぎを痛めて出遅れ、シーズン中は右肩痛にも悩まされた。登板はわずか10試合。「(500試合登板は)通過点といえば通過点。去年もそう思ったけど、達成できなかった。まずは自分の状態をしっかり上げていくことが大事」。慎重に復活への階段を上がる。

 肩の状態は上向きで、キャンプ中盤には100球の投げ込みを行い、ここまで対外試合では無失点(3月11日時点)に抑えている。3月に入り、守護神のミコライオが椎間板ヘルニアで戦線離脱。守護神不在の中、今シーズンから副主将にも就任したベテランにかかる責任は重みを増す。松井裕、青山、クルーズへつなぐ重要な役割を担うことになりそうだが「開幕までに仕上げることに変わりはない。昨シーズンは無理してしまったので」と冷静だ。

 プロ初登板の時を振り返り「あの時はまさか、ここまで投げるとは思ってなかった」という右腕。08年から5年連続で50試合以上に登板し、中継ぎの「顔」、そして投手陣のリーダー的存在として若手を引っ張ってきた。「リリーフは苦しいだけですよ。自分の投球で仲間やチームを救えたときは、充実感はありますけどね」。なかなか陽の当たらないポジションで黙々と投げ続けた右腕への勲章は、すぐそこだ。
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