強い決意でサクセスストーリーを描く。
浦野博司は、開幕こそ右肩の故障で欠場したが、先発陣に欠かせぬ存在と期待されて2年目に挑む。春季キャンプ中から実力伯仲の9人による争いを勝ち抜いた。1年目の昨季は少しずつ調子を上げ、ポストシーズンでも登板。栗山監督ら首脳陣の信頼を裏切ることなく、調整を進めた。順風満帆に歩んだ陰に、内助の功があった。
昨年12月24日のクリスマスイブ、交際6年の記念日に婚姻届を提出した。お相手は愛知学院大時代から交際をはぐくんできた一般女性。チアリーダー部で応援してくれた運命の人と、社会人時代も東京-愛知と遠距離恋愛を続け、結ばれた。「家族ができたことで、より一層頑張りたいという気持ちになりました。責任感を持ってしっかり頑張っていきます」
一変したプライベートでの多忙なオフから、着々と準備を整えてきた。新居を構えるなど身辺は慌ただしかったが、二軍の千葉・鎌ケ谷を拠点に自主トレを敢行し、飛躍を期す今季へと備えてきた。明確な目標も出来た。「来年はもっと勝たないといけないし、試合を作りたい。2ケタは勝ちたい」。先発ローテーションを守り、10勝以上のノルマを設定した。
昨季は肉体的なコンディション面の課題もあり、通常の先発投手の登板間隔である中6日を維持できなかった。今季は先発陣の柱の1人と期待されており、課題を克服できるかが飛躍のカギになる。新戦力のドラフト1位有原ら20代のライバルがひしめくだけに、慢心はない。「1年間、しっかりとやれるようにしたい」と肝に銘じている。2年目のジンクスを二人三脚で打破する。