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白仁田寛和投手・新天地で花を咲かす

 



 元阪神のドライチ右腕が輝きを取り戻そうとしている。昨年オフにトレード移籍し崖っぷちに立たされた白仁田寛和。一軍スタートとなった春季キャンプからオープン戦と結果を残し続け、開幕一軍切符をつかみ取った。

「ある程度、結果を残せたことは自信にはなりました。だけど、ここからがスタート。シーズンの中で自分の投球がどれだけ通用するかが大事」。プロの世界で生き残るため、1試合1試合が勝負のマウンドになる右腕は引き締まった表情で口にした。

 188センチの長身から投じるキレのある直球を武器に、2008年大学・社会人ドラフトで1巡目で阪神に入団。だが、昨年まで通算6試合登板で1勝0敗と結果を残すことができなかった。新天地で迎えた15年、後がない状況となった白仁田は無心で右腕を振り続けた。オープン戦は中継ぎで6試合に登板し7回1/3を無失点、防御率0.00と文句の付けようがないピッチングを見せつけた。森脇監督も「ある意味、ラストイヤー。登板を重ねるごとに頼もしくなっている」と期待を込める。

 12球団トップクラスの投手陣を誇るオリックスだが、ブルペンを支え続けた岸田、比嘉がケガで離脱し開幕二軍スタート。チームにとっては大ピンチを迎えたが、白仁田にとっては千載一遇のビッグチャンス。開幕カードとなった西武3連戦、3戦目で早くも出番がやってきた。新人・山崎福が早々にKOされると2番手としてマウンドに上がった。2回1/3を4安打1失点。移籍後初登板で黒星がついたが指揮官は「使えるメドは立った」と手応えを口にした。阪神時代は日の目を見ることがなかった右腕が新天地で花を咲かす。
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