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岩尾利弘投手・首脳陣からの期待も大きい右腕

 



 プロ6年目、やっとの思いで初の開幕一軍入りを果たし「よかった〜」と屈託ない笑顔を見せた岩尾利弘。雨で練習試合やオープン戦が4試合も中止になり、アピールの機会は激減したが、その中で3試合に投げ、ラストチャンスとなった3月22日のDeNA戦(西武プリンス)で3回から4イニング登板。昨季自信をつけたストレートが冴え、「自信のある球種」と胸を張るツーシームもうまく使いながら4回二死から7者連続三振。「それまでの2試合、あまりいい投球ができなかったので、最後のアピールのチャンスだと思って必死に投げました。一軍キャンプ、オープン戦と、僕にとっては結果を出し続けるしか道はなかったので、一日一日が勝負だと思ってやってきました。何とかここまでこぎつけられて良かったです」

 昨年、13試合に投げ、防御率1.80とキャリアハイの成績を残したが、大きく成長した要因の一つとなる出来事があった。7月10日、イースタンのヤクルト戦だ。先発も7回13失点と大炎上。「病みまくっていました」と精神的に打ちのめされ、一人思い悩む日々を過ごした。だが、ある瞬間「海で生きるクジラにとって、僕が抑えようが打たれようが、何の関係もないんだよな」と思えたことで、一気にラクな気持ちになれたという。

 加えて愛妻、愛息の存在によって、「僕が一生懸命やっていることは分かってくれている。結果がどうであれ、文句は言わないはず」。いい意味で捨て身になれたことで、明らかに投球に変化が表れた。

 今年から、背番号も『31』へ。「長いイニングを任せられる投手として、大いに期待できる」と田邊監督。シーズン通して一軍戦力となれるか。新たな挑戦が始まった。
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