堅実な守備でそのポジションを確立させた。2013年に
ソフトバンクからFA移籍した
山崎勝己。「自分の立場は分かっています。レギュラーとしてフル出場することは厳しいが、チームが苦しいときにどうやって貢献できるか。いろいろな引き出しを持っておかないと僕みたいな選手は生きていけない」。
オリックス2年目となった今シーズンは、その存在をさらに示すことになった。
今季でプロ15年目。球界きっての第2捕手として重宝されてきた。ダイエー、ソフトバンク時代は正捕手に城島、細川。昨年までの通算成績は697試合に出場し打率.199、4本塁打、91打点。打撃で目立つことはなかったが杉内、和田など好左腕の専属捕手として活躍。巧みなリード、捕球技術は一軍トップクラスの実力だ。
チームの正捕手は日本代表にも選出された
伊藤光。だが、ケガ人が続出し開幕から6カード連続負け越して、借金は2ケタに突入。流れを変えるために森脇監督が出した一手はベテラン捕手のスタメン起用だった。「この試合に懸ける思いを感じる」と指揮官。4月27日終了時点で13試合に出場し先発は6試合。決して得意ではない打撃でも16打数4安打、打率.250と奮闘している。
中島、小谷野、ブランコら大型補強を行ったチームは1996年以来のリーグ制覇に向け歩み出している。開幕から苦しい状況が続くが焦りはない。「このチームを引っ張っていくのは間違いなく光(伊藤)。苦しいときに何とか助けてやれればいい。まだシーズンは始まったばかりですから」
守り勝つ野球を信条に掲げる森脇野球にとって、山崎勝の存在は計り知れない。