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淺間大基外野手・想定外のドラマから飛び出した18歳新スター

 



 スター予備軍の宿命か。突如、晴れ舞台が整い、一気にブレークの芽を出した。ドラフト3位の淺間大基が5月5日の楽天戦(札幌ドーム)でプロ入り初の一軍昇格を果たし、いきなり抜てきに応えた。「二番・中堅」でフル出場して初安打、初盗塁、初得点をマークした。左手を骨折した陽岱鋼の代役として緊急招集され、いきなり輝いて見せた。

 理想の青写真どおりなら、巡ってこないチャンスだった。春季キャンプは二軍スタート。高卒ルーキー離れした完成度の高さは群を抜き、「一軍で通用するレベル」と栗山監督ら首脳陣の評価は一致していた。キャンプ中に何度も一軍へ招集された。実戦で潜在能力の高さをアピールしたが、開幕は二軍と早くから内定していた。消極的ではなく積極的な戦略が、その根底にあった。

 選手としてのスケールを高め、機が熟してから一軍で戦力として登用する育成計画。二軍戦で安定した実戦機会を与えることが得策と、フロント陣らも判断してあえて一軍を「凍結」していたほどの逸材。一軍へと踏み切る条件はレギュラーとしての起用に限定との内規を設けていた。栗山監督が「野球の神様が今日と言っている」と運命を感じ、満を持して空いた中堅へ投入した。

 高校野球の名門・横浜時代から、世代NO.1の左打者と評判のホープがベールを脱いだ。デビュー翌日の6日の同戦でもプロ初のマルチ安打に、初タイムリーと才能の片りんをのぞかせた。「チャンスをもらっているので積極的に行こうと思う」と、ひるむことなく存在感を示している。二軍戦30試合で打率.323を残し、一気に台頭した18歳の新顔に大注目だ。
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