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森岡良介内野手・貧欲さで切り開いた新境地

 



 代打という新たな引き出しを増やそうとしている。プロ13年目を迎えた森岡良介は、勝負所の代打の切り札として起用される機会が増えてきた。

「チャンスの場面で出させてもらっていますし、何とかしたいと思って打席に入っています。今まで以上に相手投手もよく見ますし、頭と体の準備が重要だと思います」

 昨年はチームの遊撃手の中で、最多となる109試合に出場した。だが今季は日本ハムからフリーエージェント(FA)で大引が加入。2月の春季キャンプから同級生のライバルとポジションを争ったが、開幕スタメンの座をつかんだのは大引だった。それを受け、自然と代打での出場が増えた。

「レギュラーで出たいという思いはあります。でも、気持ち的にしっかり割り切っていけているし、手応えを感じています」

 その裏には、これまでの蓄積がある。08年まで所属した中日では立浪和義ヤクルトでは宮出隆自(現打撃コーチ)、藤本敦士ら代打で活躍した先輩の姿を見てきた。どれだけの準備をして臨んでいたのか、脳裏に焼き付いている。

「今もユウイチさんに、技術的なことから考え方まで、いろいろ聞いています。最近は出番から逆算して準備できるようになりました」

 新境地を切り開きつつあるが、打席でのスタンスは変わらない。複数打席で勝負する先発のときとは違い、代打では1度のチャンスをものにしないといけない。だが受け身で打席に立つことはない。

「一発勝負だからこそ、自分から攻めていかないといけない。初球からどんどん振っていくのが大事。まだまだ勉強していきます」

 レギュラーに負けずとも劣らない、重要な存在になりつつある。
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