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カラバイヨ外野手・チームを救う、雑草魂の出戻り助っ人

 



 これほどの活躍を誰が予想したか。低迷するチームの中でひと際、存在感を示しているフランシスコ・カラバイヨ。「僕は日本でいろいろな経験をしてきた。NPBで野球ができることを幸せに思っている。まだまだチームに貢献していきたい」。年俸1000万円の“出戻り格安助っ人”が打の中心として君臨している。

 母国・ベネズエラなどの代表経験は一切なし。オールスター中間発表でもカラバイヨの名前が挙がることはなかった。だが、ここまで36試合に出場し打率.311、10本塁打29打点。本塁打、打点でチーム2冠と抜群の成績を残している。ファン投票の選出は厳しいかもしれないが、チームをけん引する成績を残しており、監督推薦での出場は十分に期待がかかる。本人は「仮に選ばれることがあれば光栄。でも、そこを目標としてやっているわけではない。チームの勝利に貢献することだけしか考えていない」とキッパリ。目の前の1試合に全力を尽くしている。

 そんなカラバイヨの活躍に笑顔を見せるのは昨年、BCリーグ・群馬でともにプレーし、打撃の師匠として慕うアレックス・ラミレス氏。交流戦初戦、5月26日のDeNA戦(横浜)で再会。試合前に打撃指導を行うと、2打席連発の9号、10号ソロをバックスクリーンへ運んだ。ラミレス氏は

「シーズン当初はみんな、これだけの成績を残すと思っていなかったでしょ。30本は打って欲しいね」と後輩の活躍を喜んだ。

 2010、11年とオリックスに在籍し自由契約を経て再び古巣に復帰を果たした。折れない心でNPB復帰を諦めなかったカラバイヨ。雑草魂を持った救世主がどん底のチームを救う。
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