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菊池雄星投手・左のエースをつかみ取る!

 



 交流戦でチームが10勝6敗2分の3位という好成績の中、ひと際輝いたのが菊池雄星だ。キャンプ時に左ヒジを痛め、復帰したのは開幕から1カ月後の4月28日のロッテ戦(QVCマリン)。以後、交流戦まで4試合に投げ、0勝2敗とチームに勝利をもたらす投球はできなかった。

 その悪循環が一変した。交流戦初登板となった5月30日、通算4勝0敗と相性の良い阪神を相手に今季初勝利を挙げる。7回153球と、自己最多球数を記録したが、この試合を機に「途中、100球を超えた6回あたりから力がどんどん抜けてきて、逆に、きれいに投げられるようになった」と土肥投手コーチは話す。また、「特に今年はスライダーの質が上がり、打者の手前で曲がる。一軍半の投手と一軍投手のスライダーの違いはそこ」と球質も本格的に『一軍投手』へと成長しつつあるという。

 その言葉を証明するかのように、6月6日のDeNA戦(横浜)では同じ7回を投げて104球2安打1失点。続く同13日のヤクルト戦(西部プリンス)には140球と球数は要したが、7回までノーヒット投球を披露した。

 交流戦で3連勝を果たし、3勝2敗と白星が先行。「四球も多く、ムダな走者を出すなど内容はまだまだですが、その中でも勝ち星がついたのが一番の活力。これをいいきっかけにしたい」。結果が出て自信を増し、目指す2ケタ勝利へのモチベーションは高まっている。岸も復帰し、「これで左右の主役がそろった。ここから行くところまで行く」。指揮官の言葉にも力強さが増す。17日には24歳の誕生日を迎えた。6年目の今年こそ、チームのため、己のため、『左のエース』の称号をつかみ取る。
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