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比嘉幹貴投手・奇跡のAクラスへ最後のピース

 



 最後の切り札がようやく帰ってきた。「まだ一軍に登録されただけ。やることはいつもと変わらないと思っています。今の自分の投球を見てもらいたい」。右肩痛のため二軍調整中だった比嘉幹貴が6月19日の西武戦(ほっと神戸)から一軍登録された。春季キャンプからノースロー調整が続くなど、ケガに苦しんだ右腕の今季一軍初昇格だった。

 最強リリーフ陣の一角として昨季はチームを5年ぶりのAクラスに導いた。62試合に登板して、7勝1敗20ホールド、防御率は圧巻の0.79。リーグタイ記録となる34試合連続無失点をマークするなど何度もピンチを救った。佐藤達、平野佳につなぐセットアッパーとしてチームの躍進に貢献したが、勤続疲労は隠せなかった。

 13年に59試合、翌年に62試合。もともと、右肩、足首などケガに泣かされてきた右腕。「自分の投げ方はある意味特殊。痛みと付き合っていくしかない」。最速140キロ後半をたたき出し、決め球は同じ腕の振りから繰り出すシンカー、カーブ。体全体を使い体重移動を施す独特なフォームは予想以上に体に負担がかかっていた。

 長いリハビリを終え訪れた今季初登板は6月20日の西武戦(ほっと神戸)。8回から登板すると永江に中前適時打を浴びるなど1イニングを2四死球2安打2失点。復帰登板を終えた比嘉は「抑えようと思ったんですが。こんな感じです」と苦笑い。昨年の自分と照らし合わせ、どこか納得できない表情を見せていた。それでも福良監督代行は「どれだけ投げられるか見たかった。結果、内容は関係ない」と評価。最下位からの奇跡のAクラス入りを目指すオリックスに、最後のピースが加わった。
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