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大谷智久投手・苦しい場面で光る好投

 



 絶対的な信頼を得る救援のスペシャリストに成長した投手がいる。今季で6年目を迎える大谷智久は、本格的に中継ぎに転向してまだ2年目。すでにロッテのブルペンを支える中継ぎのエース格として存在感を発揮している。

 昨年、野球人生の転機を迎えた。主にセットアッパーとしてフル回転し、49試合で23ホールド、防御率1.94。「大谷―西野」という新たな勝利の方程式が完成した。

「自分の中でも中継ぎの方が合っているのかなとは思う。よく“やりがいは?”と聞かれますが、どんな場面でもとにかく0点で帰って来ることだけを考えています。いつ投げるかも分かりませんし、チームが勝って初めて安心できるポジションですね」。先発とは違うプレッシャーとの戦いの中で自らの役割を黙々とこなしている。

 今季もフル回転で、6月25日時点で30試合に登板して18ホールド、防御率2.43と安定した数字を残している。中継ぎ陣の不調からあらゆる状況で大谷がマウンドに送り込まれる。特にピンチの場面での起用が目立つが「イニング途中はやっぱり難しい。流れが相手に傾いている状況で投げるわけですから」。どれだけ打たれても四球を出しても、とにかく無失点であればいい、と自らに言い聞かせている。

 首脳陣もそろって大谷を労う。伊東監督も「今は困ったら大谷に行ってもらっている。かなりキツイだろうが、よく頑張ってくれている」と話す。

 球界で「大谷」と言えば日本ハム大谷翔平の名前が真っ先に出てくるが、刈り込んだ頭とヒゲがトレードマークの「中継ぎ一刀流」のロッテ・大谷の存在も忘れてはいけない。
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