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武隈祥太投手・場面を厭わず登板する頼りになる左腕

 



 6月24日現在、33試合登板はリーグ3位、チーム内でもセットアッパーの増田達至に次ぐ2位の数字を誇る武隈祥太。クローザーの高橋朋巳とセットで“勝利の方程式”の一角として起用と、ほぼ勝ち試合限定登板となっている増田に対し、背番号48はビハインド、点差が開いているときなど、貴重な左腕として6回以降中継ぎが必要となった場面のほとんどでマウンドを託されている。

 連投も多いため、フィジカル的な疲労も相当のものだろう。加えて1、2点の僅差勝負で“止め”の役割としての投入、回またぎなど、精神的にも堪える状況に横田久則投手コーチは「一番負担のかかる役割。いろんな準備をしなくてはならず、ブルペンで一番しんどいはず。本当によくやってくれている」と労いの言葉を並べる。

 これほどまでに開幕から首脳陣の信頼を勝ち取り、勝敗を分ける大事な場面を任されるようになった最大の要因として、同コーチは「メンタルの成長」を挙げる。昨季から結果が出ている自信から、「厳しい場面でも淡々と投げられるようになってきた」と語る。さらに技術的にも「最も得意とするのがチェンジアップ。その武器を、先発をしていた去年までは左打者に対してはあまり使わずスライダー主体だったのが、今年は左打者にも要所でうまく使えるようになってきた」と進歩を感じるという。

 そうした自身の成長に加え、打撃好調、接戦にも強いというチーム状況も手伝い、中継ぎながら早くも5勝をマークする。だが、「僕の勝利はもう十分。それよりも、先発の勝ちを消さないようにしっかり投げたい」。プロ8年目。誰からも信頼される中継ぎエースへと今、進化を遂げつつある。
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