助っ人
マット・マートンのパフォーマンスが後半戦のチームの行方を握っている。アップダウンを繰り返した前半戦と違って好調をキープすれば、混戦から抜け出す可能性も出てくるだろう。
「これからもベストを尽くしていく。勝てればうれしいし、結果として負けても優勝できないわけではない。ここから1試合、1試合が大切になってくる」
7月14日の
広島戦(甲子園)で10戦連続ヒットを放った。交流戦終了時に.243だった打率が急上昇。開幕直後からの劇変ぶりは誰も想像できなかったに違いない。昨シーズンの首位打者・マートンは2月キャンプで右太ももを痛めた。それを引きずった開幕で不振を極めた。再三にわたって球審の判定を不服とするなど、スタメン落ちまで経験した。
その助っ人のバットが突然息を吹き返した。6月20日の
ヤクルト戦(甲子園)で、やっとのことで今季初本塁打を放った。長距離バッターではないが、ここを境に徐々に調子を上げてきた。
マートンが「我慢しながら辛抱強くやってきた成果が出ている。バット、手の軌道がフィットしてきた」と手応えをつかんだからには、ここから急降下することは考えにくい。
また、五番・マートンが好調となれば、相手ピッチャーもその前を打つゴメスとの勝負を避けにくくなる。外国人の依存度が高いチームにとっては好循環ということになる。
「人生と一緒で良いときも悪いときもある。このまま去年と同じような形になればいいね」
勝負どころの夏場にきて、なんともいいタイミングでマートンが打力アップしてきた。