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デニング外野手・NPBで成功するために

 



 念願の舞台で着実に前進している。5月末に独立リーグのBC/新潟からヤクルトに加入したデニングは「最初はワクワクしたし、楽しい気持ちが大きかったけど、今は落ち着いて周りを見られるようになってきた」とこの2カ月を振り返る。

 入団当初はレベルの違いに戸惑った。6月は20試合に出場し、打率.180、1本塁打、5打点と思うような成績を残せなかった。

「やっぱりBCリーグよりもレベルが高いし、特に変化球のコントロールが違う」と適応に苦しんだ。だが自らが望んだ舞台であきらめるわけにはいかなかった。2013年6月に豪州から来日し、BC/新潟に加入。同年に打率.370をマークし、首位打者を獲得した。そんなスラッガーは、台湾や韓国のプロリーグから興味を持たれたこともあった。移籍すれば、月給30万円よりもはるかに好待遇を手に入れる可能性もあったが見向きもしなかった。「日本のトップリーグであるNPBで成功したい」という思いで日本に残った。そして半年で360万円という契約だったが、ようやくヤクルトでチャンスを手に入れた。

 だからこそ、日本人以上に勤勉な姿勢を持つ。練習中では暇さえあれば、チームメートの打撃練習を観察する。特に興味を持ったのが山田。「体格的にはあまり大きくないのに、一瞬のうちに持っているパワーを出すことができるのがすごい」。そこで山田を育てた杉村チーフ打撃コーチに志願し、数種類のティー打撃に取り組むなど学び取ろうとしている。

 まだ打率は2割台前半。「思っているような数字ではない。まだまだ向上していきたい」。勤勉な助っ人はさらに進化を遂げる。
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