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佐藤達也投手・守るべきもの

 



 今季のチームを象徴するように佐藤達也がもがき苦しんでいる。「自分の力不足です。それだけ。特に何か変わっているところはない」。150キロを超える直球を武器に2013、14年と2年連続して最優秀中継ぎのタイトルを獲得した右腕。今季も中継ぎ陣の柱として期待されたが、8月11日現在、42試合に登板し1勝7敗、13ホールド、防御率3.89と不振が続いている。

 リーグ屈指のセットアッパーとして君臨してきたが、今季は守護神・平野佳の不調、ケガによってシーズン途中から“代役守護神”としてマウンドに上がる機会が多くなった。さらに持病の腰痛によりシーズン2度の抹消を経験。2年連続してシーズン67試合に登板した右腕には勤続疲労も心配される。高山投手コーチも「昨年、一昨年と投げているから疲労は必ずある。その中でどうやって投げていくか。今のチーム状況を見ても変わりはいない」と苦しい胸の内を明かす。

 8月11日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では4点リードの9回にマウンドに上がったが、中村に2点タイムリーを浴びると、続く柳田にサヨナラ3ランを浴びまさかの大逆転負け。それでも翌12日の試合では1点リードの9回に登板し無失点とリベンジに成功。厳しい場面での起用が続くが、気持ちが折れることはない。

 腰痛を抱え、目に見えない勤続疲労がつきまとう2015年シーズン。大型補強を行い優勝候補に挙げられながら開幕から最下位に低迷するチーム。そんなどん底の状態の中でも「力のある投手が多い中で今は最後(抑え)を任されている。ここを守らないといけない」。どんな状況が続けどタイトルホルダーとしての意地を最後まで貫き通す。
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