ここまでセットアッパーとしてフル回転してきた。ベテラン
福原忍は昨シーズンの60試合登板を上回るペースでマウンドに立ち続ける。「もう1度優勝を経験したい。大事なことはチーム全体が1つの目標に向かって、一丸になっていくことだと思う」
今年12月で39歳になる。最年長男は大台を目前にして人一倍体のケアにこだわる。シーズン中は腰痛などに悩まされるため、特にストレッチに時間を掛けて準備をしていく。昨季は42ホールドポイント(4勝6敗)をマークし、自身初タイトルになる最優秀中継ぎ賞を獲得した。その自信もあって、さらに貫禄のピッチングをみせる。
7月22日の
巨人戦(甲子園)での2 4ホールドを記録したリリーフは、
藤川球児に並ぶ球団史上2位タイの562試合目の登板になった。同26日の
DeNA戦(甲子園)で単独2位に浮上した。
プロ入りから2ケタ勝利を3度挙げるなど先発として貢献してきた時期もあったが、17年目のベテランは抑えにつなぐ厳しい場面での登板に生き甲斐を求めるようになった。しかも、先発していた当時よりも球速がアップし「自分でイメージしたボールを投げられている」というまで進化した。その経験を若手ピッチャーに教えることもあり信頼感を得ている。
チームが優勝争いをする今シーズンもタイトル獲得への最短距離を走る。「もう若くない」と謙そんしながら、安藤、
呉昇桓との3本の矢の中心としてラストスパートをかける。
福原は「目に見えないプレッシャーもかかってくると思うが、楽しみながら投げるぐらいのつもりで全力投球する」とベテランらしい言葉で締めくくった。