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ミゲル・メヒア投手・痛恨の大誤算となったクローザー候補の不振

 



 2014年『台湾プロ野球史上最多35セーブ』を記録した実績を引っ提げ、今季西武に加入したミゲル。昨季9回を任せていた貴重な左腕の高橋朋を中継ぎに回し、台湾セーブ王を新たなクローザーとして据えるという理想的な構図を、田邊監督はじめ首脳陣は思い描いていた。だが、ここまでの一軍での成績は4試合、3回2/3投球回、6失点、防御率14.73。クローザーという大役以前に、戦力として貢献しているとは言い難い。

 結果が出ない原因として、指揮官は「スピード、コントロールとも予想以下だった。特に変化球が、台湾のときの映像ではもっと動いていたのに日本では全然動かない」と指摘。土肥投手コーチも「空振りを取る球が見つからなかったのと、自慢のストレートが痛打されたケースが非常に多い」ことを挙げる。クローザーにまず求められる『速い直球』と落ちるボールやスライダーなどの『ウイニングショット』という基本的な要素の点で、物足りなかったということだ。

 現在調整中の二軍では9月16日現在9セーブを挙げ、防御率も2.53と少しずつ結果も出てはきている。だが、「そんなに甘い世界ではない。外国人選手は“助っ人”。育成目的の20歳ぐらいの若手とは違い、出来上がった即戦力として取ってきているわけだから」と当然首脳陣の評価もシビアだ。結局、7月24日を最後に“助っ人”の名を背負って一軍のマウンドに立つことをまだ許されていない。

 クローザーとして開幕から高橋朋が奮闘して快進撃を支えたが、中盤で崩れ、チームが失速したことを考えればやはり“ミゲル不発”の影響は小さくない。期待が非常に大きかっただけに、痛恨の大誤算となった。
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