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マイコラス投手・混戦のV争い希望の光

 



 来日1年目でエース格の働きを見せている。混戦の優勝争いが続く中、マイコラスは「シーズン終盤の試合も、序盤の試合も重みは変わらない」と自然体だ。

 長身から150キロを超える速球を投げ、タテに大きく割れるカーブで緩急をつける。打者がタイミングを取りづらい投球フォームもあって、ここまで防御率は2点を切る安定感。ただ、開幕当初は苦しんだ。5月14日の広島戦(東京ドーム)まで4試合に先発して勝ち星はなく、防御率も4.91。変貌のきっかけの一つは原監督の言葉だった。力を信じていた指揮官は5月21日の阪神戦(甲子園)を前に「ブルペンでの姿とマウンドでの姿が別人。メカニックを変える必要はない。ブルペンの投球をマウンドですることだけ」と伝えた。力みのあった右腕は「マイコラス以上になろうとしなくて、精神面の安定を取り戻したことが大きかった」と感謝した。

 ここからは快投を続ける。その阪神戦は7回を1点に抑えるも勝ち星はつかなかったが、続く28日の西武戦(東京ドーム)は8回無失点で来日初勝利。6月20日の中日戦(東京ドーム)からは負けはなく、9月16日現在で8連勝中。チームトップの10勝を挙げている。蓄積疲労で8月23日に出場選手登録を外れたが、9月9日の阪神戦(甲子園)で復帰し7回3失点と及第点の投球を見せた。「自分でも調子は良かった。チームの力になれないフラストレーションはあった」と一息ついた。

 混戦が続く優勝争いを「うれしい」と前向きにとらえる。阪神相手に防御率1.50、ヤクルトにも0.60と上位2球団に相性の良さも見せる。リーグ4連覇へ、右腕にかかる期待は大きい。
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