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大谷智久投手・頼れるセットアッパー

 



 8月末、チームに衝撃が走った。セットアッパーとしてフル回転してきた大谷智久が、右内転筋肉離れで離脱を強いられたのだ。精密検査の結果、全治3週間と診断されたため8月31日に出場選手登録を抹消された。シーズン終盤での不測のアクシデントに伊東監督も「痛いね」と頭を抱えたが、周囲も驚く回復力で早期のカムバックを果たした。

「昨年も同じケガをしたけど、そのときよりは早く治った。リハビリ期間中もやれることはしっかりやってきたので、万全の状態で戻ってこられた」

 9月22日に一軍に復帰すると、この日の楽天戦(QVCマリン)で1回2失点(自責0)。25日のソフトバンク戦(同)から“定位置”のセットアッパーに復帰し、3試合連続でホールドをマークした。「戻ってきた時点でどこでも投げられる準備は整っていた。自分がいない間は、益田、松永、内が頑張ってくれていた。特別な気負いとはかないですけど、自分が復帰したことでそれまでの負担を分散させたい」。わずか3週間とはいえ、いかに大谷の存在が大きかったかということをチームの全員が痛感する期間となった。

 大谷が復帰した翌23日には守護神・西野の左足に打球が直撃し、精密検査で骨折していることが判明した。チームは再び苦境に立たされているが、大谷は「とにかくいい流れで9回につなぐ」と言い切る。そして、こうも続けた。

「僕たちの目標ははっきり見えている。CSに向かって一丸になる。そこだけはぶれずにやれていますから」

 復活を遂げたセットアッパーの言葉が、ロッテを包んでいる空気感を何よりも物語っている。
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