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楽天 安樂智大投手・悔しさと手応えを糧にして

 



 来シーズンへ確かな手応えを残した。一軍での登板は10月5日、コボスタ宮城でのソフトバンク戦だけに終わった安樂智大。だが、その唯一の登板を白星で飾った。6回無失点でプロ初登板初勝利。「最後に1勝を挙げられたことは来年につながる。恩返しできるように精いっぱい頑張りたい」。シーズン終了後、19歳右腕は言葉に力を込めた。

 大久保博元前監督ら首脳陣の方針どおり、今季は育成の年となった。2月の久米島キャンプこそ一軍スタートだったが、チームが沖縄本島に移動する同月中旬を機に二軍に合流。基礎体力作りからやり直し、二軍でもリリーフからスタート。それから徐々にイニング数を伸ばした。二軍での成績は4勝1敗、防御率2.57。着実に進化した姿を見せた。

 今オフの最大の課題は一番の武器と言い切る直球の威力アップ。高校時代は最速157キロをマークしたが、今季は149キロが最高。「筋肉量を増やして下半身をバージョンアップさせて、フォームを安定させたい。150キロ台は投げられるはずだと思っているので、そこを目指していければ」。かつての剛球を取り戻すために、鍛え抜く覚悟だ。

 入団時の目標だった「開幕一軍で、先発ローテに入る」は2年目に持ち越された。それでも「1年間やって、体は強くなった。20年間プロでやるための体を作ってきた。やってきたことはムダではなかったと思う」と前を向く。

 新人王の権利も残した。「チャンスがあるならば、チャレンジしていきたいです」と黙々と汗を流した今シーズン。来季以降の大いなる飛躍へ向け、どん欲に取り組んでいく。
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