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ヤクルト 竹下真吾投手・一からフォームを見直し来季の飛躍を誓う

 



 屈辱の1年だったと言っても過言ではないだろう。ドラフト1位でヤマハから入団した竹下真吾は、1度も一軍登板がないまま、ルーキーイヤーを終えた。

「すごい不本意です。情けない。苦しい1年でした……」

 大きな期待を背負っていた。1月の新人合同自主トレで、ブルペンを視察した真中監督は「石井一久ぐらいの球の強さを感じた。7、8回を任せられるようになれば面白い」と絶賛。左のリリーフとして開幕一軍を狙える位置にいた。

 歯車が狂い出したのは2月の春季キャンプ。チーム方針で新人は全員二軍スタートだったが、14日から一軍に合流することが決まっていた。だが直前で左ヒジを痛めて離脱。3月に1度は一軍に合流したものの調子が上がらず、開幕一軍を逃した。6月には今度は左肩を負傷。10月に復帰以降もフォームのタイミングがバラバラとなり、制球が定まらない状態だった。「フィジカルも、スキルもうまくいかなかった。去年の姿を取り戻そうとしているうちに、1年が終わってしまった」と落胆した。

 そこで11月の松山での秋季キャンプでは一から見直した。「自分はパワーピッチャー」と言うように左腕を強く振って投げる最速150キロの直球が武器。だが上半身の力に頼り過ぎ、下半身をうまく使えていなかった。修正するために下半身強化のメニューを多く消化。さらに右腕でしっかりカベを作り、リリースの出所を安定させようと取り組んでいる。「一から新しいものを作ろうと思っています」と生まれ変わろうとしている。

 真中監督は「竹下あたりが食い込んでこないと、来年は厳しい」と連覇のキーマンに挙げている。2年目左腕が来季こそ結果を残す。
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