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西武 栗山巧外野手・巻き返しに奮起するチーム一の熱血漢

 



 14年目の契約更改で、キャリア初の減額提示を受けた栗山巧。4000万円の大幅ダウンで推定2億円。「『ダウンするときて、こんな感じなんや』って思いましたね」。142試合、打率.268、10本塁打、42打点。また自身が特に重要視し、2010年以降、常に4割近い数字を残し続けてきた出塁率も.358にとどまった今季の成績を前に、「言われた金額で受けるだけでした」。

 打率、打点、出塁率とも当然納得していない。だが、最も悔やまれるのは出場試合数だろう。10年に初めてフルイニング出場をしてから昨季までの5年間、12年に死球による骨折で戦線離脱した以外の4年で全試合出場を遂げてきたが今季は1試合、ヤフオクドームのベンチで戦況を見守った。8月16日、ソフトバンク戦のことだ。4連敗というチーム事情も重なり、「リフレッシュだ」と田邊監督は説明したが前日の同カードで4打数0安打。09年以来6年ぶりのケガ、病気以外の先発外という状況の意味を誰よりも己がかみ締めていた。

 契約更改の会見の席で問われた来季の課題などに対し、「来年は全試合しっかり試合に出ること。そのために、まずは来年も1年間ケガをしない体を作ること」という返答に終始した。

 ただ、反骨心の塊ともいえる男だ。年俸ダウンの現実を「『もうひとつ、やったろか』と思うきっかけにはなります」と新たなモチベーションへと変えている。1981年以来、34年ぶりの2年連続Bクラスという屈辱、自身プロ15年目となる来季に主将としても個人としても奮起しないわけがない。「まずはソフトバンクに勝ちたい。それさえできたら、優勝は絶対に見えてくる」。チーム一の熱血漢は巻き返しに燃えている。
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