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ソフトバンク 森唯斗投手・3年連続50試合登板が最低ライン

 



 打者を目線で射抜き、うなり声を上げながら思い切り腕を振る。身上の強気で1年目の2014年から58試合に登板した。ルーキーイヤーに活躍した者、特に森唯斗のような力投派には意地の悪い言葉が付いて回る。「2年目のジンクス」。15年シーズン序盤は、多くの選手の例に漏れず、森もその渦に巻き込まれたかのようだった。バリオスの活躍もあり、勝ち取ったはずの勝利の方程式ではなく、場面を問わないリリーフに回った。

「プロは結果を残し続けるしかない」。腐らずに備え、神懸かり的に好救援を続けたバリオスが蓄積疲労で調子を落とすと、勝ちパターンに返り咲いた。6 〜8月にかけ18戦連続無失点。「今年は1年を通して調子を維持できなかった。チームに迷惑をかけた部分も少なくない」。少なからず不満はあるものの、55試合に登板。21ホールドポイントは昨季の24より少なかったが、「少しでも波を減らして、3年連続日本一に貢献したい」と新シーズンに息巻いている。

 秋季キャンプはキャッチボールすら行わなかった。疲労回復を最優先させる、工藤監督の指示だった。日本シリーズ終了から6週間ほどが経過していた12月に入り、地元の徳島へ帰省していた際に、ようやくキャッチボールを再開。

「肩はいい感じになっている。やってやるぞ、という状態」。継続は力なり。最低ラインを3年連続50試合登板に置く。「もう3年目。今のポジションを譲るつもりはないし、1年間、守り通したい。そうすれば数字も付いてくるし、タイトルも見えてくる」。“もう3年目”、と言うあたりが自負。自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手も見据えながら、年男としてのプロ3年目が幕を開ける。
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