週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ロッテ 田中英祐投手・土台をつくり、飛躍の1年に

 



 カベにぶち当たった1年目を乗り越え、年男として迎える2年目に巻き返しを期す。京大出身初のプロ野球選手として注目を集めた田中英祐は、2015年一軍で登板2試合に終わった。本拠地で初先発した4月29日の西武戦は3回5失点でKOされ、中継ぎ登板した5月1日の日本ハム戦(QVCマリン)でも3回4失点。「足りない部分がたくさんあった」と現実を突きつけられた。

 父から「地獄を見てこい」と送り出されたプロの世界は、甘いものではなかった。「1年間、ゲームが毎日ある。それに合わせて投げていくのに体力がついていかず、崩れていった部分が大きい」とルーキーイヤーを振り返る。試合数の少ない大学時代とは、勝手の違う環境に順応し切れなかった。

 戦える体をつくるために秋季キャンプではみっちりと鍛えた。「想像以上にきつかった」と言うものの、午前いっぱい走り込むランニングでは常にトップを争う姿があった。「来年につながるように」と残った力を振り絞り、筋力系のトレーニングメニューを愚直にこなす。ボールを持てば小林投手コーチとマンツーマンで投げ方から見直し、土台づくりに励んだ。

 伊東監督は「実際、150キロくらいのボールを投げるいい投手。1年間やってプロの仕組みも分かったと思うし、これから」と殻を破る日を待っている。飛躍が期待される2年目に向け「体力強化を続けて、オフもボールを投げる。いい感覚を持って、春のキャンプに臨めたら」とスタートダッシュをかける腹づもりだ。ドラフトでは6人の投手が入団した。「上で投げないと始まらない」という決意を現実のものとし、ライバルとの競争に打ち勝てるだろうか。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング