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ロッテ 中村奨吾内野手・大チャンスが目の前に

 



 充実の1年目だった。中村奨吾はルーキーイヤーながらシーズンを通して一軍で経験を積んだ。「いろいろなことを学ばせていただきました。プロの世界でやっていくには技術面と体力がまだまだ足りていないなと感じました」。謙そん気味に振り返るが、将来性とポテンシャルを感じさせる1年になった。

 攻守走そろった即戦力の万能内野手として高い評価を受け、2014年秋のドラフトでロッテから1位指名を受けた。注目度は京大出身の2位・田中英のほうが上だったが、そこはやはり「ドラ1」。開幕一軍をつかむと、一度も二軍に落ちることなく111試合に出場。打率.230は多少の物足りなさを感じるが、プロの世界で通用するだけの逸材であることを証明した。打撃のパンチ力と俊足は先輩選手たちにも引けを取らない。あとは確実性と安定感さえ身につければ、目標に掲げる「レギュラー獲得」は十分に可能だ。

 2年目を迎える中村にとって、願ってもないチャンスが訪れた。長年にわたって三塁を守った今江がFAで楽天に移籍。さらに、二塁手のクルーズも巨人へと移籍した。「内野手のレギュラーが2人も同時に抜ける。一緒にプレーさせてもらった先輩がいなくなるのは寂しいけど、こんなチャンスは二度と訪れないかもしれない」。もともと寡黙な性格だが、2年目のシーズンに向けて静かに闘志を燃やしている。

 口グセがある。「ライバルはいない」。人を意識するのではなく「自分がやるべきことをやればおのずと結果はついてくる」という考えの持ち主だ。周囲に左右されない中村には、2年目のジンクスという言葉は無縁かもしれない。
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