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西武 森友哉捕手・理想像である『打てる捕手』への新たな挑戦

 



 今季3年目の森友哉だが、1年目は一軍初昇格したのが7月27日で、41試合の出場にとどまった。通常の高卒ルーキーの数字として見れば十分ともいえるかもしれないが、2年目の昨季は開幕から一軍入りを果たし、138試合出場、うち131試合で先発起用というポテンシャルからすれば、1年目は準備期間のようなもの。オフには2年目野手の球団史上最高額推定年棒4000万円の評価を得た二十歳の“マン振り男”が、“主力”2年目にさらなる飛躍を期す。

 本職の捕手は多くの要素が求められる難しいポジションのため、最大の武器である打撃力に支障が出ないように昨季は主に指名打者として起用された。「DHは打てる人のためのポジション」と責任を背負い込み、結果にこだわってきた。夏場、不調に悩んだときには、「正直、自分のプレースタイルとしては許せない」がプライドを封じ、バットを短く持つこともあった。その中でも、代名詞であるフルスイングの意識だけは貫き通し、打率.287、17本塁打、68打点。首脳陣の期待に十分応えてみせた。「体力をつけて、シーズン通して結果を出したい。3割は打ちたい」。今季は昨季以上の活躍を誓う。

 チーム事情から今季は再び捕手としての成長に主眼を置く。秋季キャンプでの練習試合でも早速マスクをかぶり、感覚を取り戻すことに努めた。「人と同じようにやっていたら追いつかないので、何か変えてやらなければいけない」。技術面、配球面など、ただでさえ覚えなければならないことは多い。加えて、侍ジャパン捕手・炭谷、岡田ら経験豊富な先輩の壁は高い。それでも、「ずっと負けているのは嫌」。『打てる捕手』。目指す理想像へ、新たな挑戦がはじまる。
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