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ソフトバンク 五十嵐亮太投手・太く、長く、わき上がる意欲

 



 スタンリッジが退団し、チーム最年長で迎える新たなシーズンに向け、五十嵐亮太は突然、退路を断ってみせた。「体重を5キロ絞ります。いま95キロなので90キロを切って戻ってきます。言えばできる。(2月の)キャンプインまでにできなければ、野球、やめます」

 12月の契約更改交渉では2億円増の年俸3億5000万円プラス出来高払いの2年契約(3年目は球団側に契約オプション)で合意した。「野球をやめる」など、言うだけ損だが、それだけ追い込める自信があるから言ってみせたのだ。

 37歳になるシーズンは新たな挑戦をする。ランニングメニューはこれまで短距離系だけだったが、昨季、工藤監督から中距離、長距離を走る大切さを説かれていた。「長くやるためには長い距離は必要」。短いイニングを投げるリリーフ投手は短距離走が中心だが、先発投手のように中、長距離も走ることで選手寿命を延ばす考えだ。「(工藤監督は)長くやられている方なので、それより長くやるには最低限クリアしなければいけない。だから、長くやっている方の練習を取り入れる」と五十嵐。48歳まで現役を続けた指揮官超えも口にするほど意欲的。その道は険しく遠いが、眼光は鋭い光を放つ。

 チームに加わり、3年間で168試合に登板し、7勝7敗16セーブ86ホールド。14年には球団最多の年間44ホールドを達成した。「もっと高いところを目指したい。競争の中でちょっと頭が出るくらいではダメ。ひとつふたつ上を行きたい。デニス(サファテ)くらいの成績を残したい」。現状には満足していない。最年長右腕とは思えぬほど、意欲が体の奥底からわき上がってくるようだった。
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