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ソフトバンク 今宮健太内野手・自主トレはライバルと共に

 



 昨年までは同じ大分出身の内川のもとで自主トレに励んでいたが、今年はそこを離れた。場所は長崎市の長崎県営球場。今宮健太が汗を流す仲間は、同じ内野のライバルである高田と牧原だ。三塁、遊撃、二塁……。3人並んでノックを受ける姿があった。「いい意味で気を使わないでやれる。3人とも、昨年は結果の出ていない選手ばかり。ショボい3人でやるのもいいんじゃないかと思って。お互い負けたくないという思いもある」。ユーモアを交えながら、今年に懸ける思いをとうとうと語った。

 昨季は142試合に出場し、遊撃で3年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得。連続日本一に貢献したが、打率.228とシーズン最終盤まで苦しみ抜いた。「苦しんだことはいい経験になったけど、これを最後にしないといけない。まだ自分がレギュラーだとは思っていない。守備だけでなく、打撃でも自分の形をつくっていきたい」。現状に甘んじる様子は全くない。

 打撃不振でスタメンから外れた際、遊撃を務めたのが高田。牧原は昨季外野で活路を見いだしたが、もとは遊撃を守れる選手だ。競争相手と寝食を共にするのは「いい刺激になる」から。「ライバルが頑張っていれば、俺もやらなきゃという気持ちになる」と、互いに自分を映す鏡にしている。

 連続日本一を果たしたチームにあって、立場も変わってきた。「僕を筆頭にやることになるので、好きなようにできる。時間を気にせず、納得がいくまで打ちたい。人間として成長していくことが大事。これまで内川さんにお世話になって、いろんなことを教えてもらった。少しでも恩返しをできるように」。離れて良かったと言わせなければ、男がすたるというものだ。
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