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西武 田代将太郎外野手・ライバルを蹴散らし正右翼手へ

 



 昨季もレギュラーが定着しなかった右翼手。今季も熾烈な定位置争いが繰り広げられる。「木村、坂田……」と田邊監督が候補者を順に挙げていく中で、3番目に口にしたのが「田代将太郎」の名だ。昨季はプロ初先発出場を果たすも、7試合、打率.143に終わった。それでも、二軍では55試合で打率.311、2本塁打と結果を残した26歳に、「持っているモノはすごく良い」と大きな期待を寄せる。ポイントは「ケガをしない」。本人も指揮官も、「そこに尽きる」と実感を込めて語る。

 昨季は出足からケガに泣いた。初めてA班で迎えた春季キャンプだったが、意気込み過ぎ、3日目に肉離れで離脱。人一倍アピールしなければいけない立場とはいえ、無理をし過ぎてケガをしては元も子もない。その教訓を生かし、自主トレではより一層の体力作りに励み、キャンプでは「全力を出し尽くしてアピールするところと、少し緩めるところのバランスをしっかりと考えてやりたい」と同じ失敗を繰り返さないことを誓う。

 俊足が武器の左打者。昨季、フルで一軍に在籍した同級生・斉藤とスタイルが酷似していることは自覚している。だが、「現時点では斉藤が上だけど、乗り越えなきゃいけない。それは坂田さん、木村さん、熊代も同じ」。このまま“候補”に甘んじるつもりは毛頭ない。

 今回、初めて大学の先輩・秋山に合同自主トレを志願した。自分が起用された際、打線の中で求められるであろう“つなぎ”の役割を果たすために必要な「粘りや小技」に通ずる技術を、シーズン安打日本記録ホルダーから学んだ。「最初は代走要員からでもいいので、そこから這い上がりたい」と、虎視眈々と正右翼手の座を狙う。
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