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オリックス 伊藤光捕手自分と向き合い再飛躍を目指す

 



 つかみかけていた正捕手の座を再び奪い返す。伊藤光は挫折を味わった2015年を真正面から見つめ直した。「チームの成績が悪かったのは自分の責任だと思っている。今年は開幕から良い流れにしたい」。104試合に出場して打率. 271、1本塁打、28打点。打撃成績だけを見ると決して悲観する内容ではないが、先発マスクをかぶった72試合で19勝32敗と守備面でチームに貢献することはできなかった。

 福良新監督は今季の正捕手について「決まっていない。いい動きを見せてくれた若手もいるし、横一線のスタートになると思う」との考えで、ベテランの山崎勝、昨シーズン終盤に一軍昇格を果たしたプロ2年目の若月らを春季キャンプ、オープン戦で競争させることを予告している。

 リーグ2位に躍進した14年は137試合に出場してゴールデン・グラブ賞、ベストナイン、最優秀バッテリー賞と捕手として獲得できる賞を総なめにした。それがわずか1年の間に状況は大きく激変。主力投手が度重なるケガに見舞われ、万全の投手陣で戦えなかったが、言い訳にはしない。伊藤は「もう少し冷静になれる自分がいればと思うところもあった」と分析する。

 悪い流れを断ち切るため、今年の自主トレは関西以外の地で行う「放浪トレ」で自分を見つめ直している。関東、九州のトレーニング施設を巡って一から体を鍛え直し、スポーツトレーナーだけを帯同させる単身自主トレ。「考える時間を作りたかった。いろいろと自分と向き合ってもう一回リセットできれば良い」と思いを口にしている。チーム内の“正捕手争い”を勝ち抜き、もう一度輝きを取り戻して、今季は全試合でマスクをかぶるつもりだ。
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