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DeNA 高城俊人捕手・打撃を克服し正捕手の座へ

 



 順調な成長曲線を描いてきた。高卒4年目のシーズンを終え、高城俊人は強い決意を口にした。「安心して試合を任せてもらえるようにならないと。今のままではいけない。このオフが大事だと思っています」。レギュラー獲得へ下準備。「120試合は出たい。盗塁阻止率も4割はいきたい」と目標設定し、昨年12月から長崎で自主トレを開始してみせた。

 2012年にドラフト2位でDeNA創設と同時に、プロの門をたたいた。ルーキーイヤーから一軍に帯同し、45→51→48試合と確かに経験は積んだ。最大の武器は強肩。その一方、バッティングが課題だと言われ続けてきた。打率は.170→.136→.145。「このままでは試合で使ってもらえない」と危機感が芽生えた。

 昨年は3月31日の広島戦(横浜)で初スタメン。黒羽根をフォローする格好で、2番手捕手としての地位を固めていった。過去には井納の専属として出場機会を確保。さらなる転機は5月5日のヤクルト戦(横浜)にやってきた。シーズン初先発だった三浦を6回3失点と好リードし、23年連続勝利のプロ野球タイ記録に貢献。バットでも3打数2安打3打点と開眼した。実績のある左腕・成瀬から左翼席へプロ初本塁打。「あれ、誰?高城じゃないんじゃないの?」。と中畑前監督らしい称賛の言葉がうれしかった。

 三浦の登板時には決まってマスクをかぶり、自己最多の64試合に出場。打率も.202と“大台”を突破した。秋季キャンプでは野手MVPを獲得。ラミレス監督は黒羽根、嶺井、新人の戸柱まで含めた横一線の競争を明言している。「今年はやりますよ」。有言実行。ブレークの予感はある。
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