勝負の5年目を迎える男にとって大きな変化のシーズンだ。
伊藤隼太が激しい外野手争いから抜け出して、レギュラー奪取を目指している。
自主トレーニングを続ける沖縄で打撃練習を開始した伊藤隼は「1年を通してレギュラーで出続けないといけないと思っています」とやる気をみなぎらせる。
昨秋キャンプでは「トップの形をしっかり作る」というテーマを追求した。新たな試みに取り組みながら、自分のスタイルを固める覚悟の表れだった。
これまで即戦力で有望株と評価をされながら期待に応えることができなかった。15年シーズンも自己最多63試合に出場したが「納得いくものではなかった」と反省。11年ドラフト1位男は今年こそフル出場をかけてシーズンに臨む。
ライバルの存在も闘争心をかき立てる。中堅には守備のいい
大和。さらに昨年ルーキーの江越が頭角を現した。秋季キャンプでは二塁の上本までも外野に挑戦。さらにはルーキー高山の加入もあり、尻に火がついた。
最大の発奮材料は昨年12月に生涯の伴侶を得たことだろう。慶大時代から6年間の交際を実らせてゴールイン。「守るべき存在ができて今まで以上に頑張ろうという気持ちです」と気を引き締める。
金本監督に代わったチームの外野は、福留以外はレギュラーを保証されていない白紙の状態。外野の定位置争いに挑む隼太にとっては大きなチャンスだ。「外野の一角に必ず食い込みたい。規定打席に到達すれば数字もついてくるし、そこを意識しながら今年こそはという気持ちです」
新婚パワーも手伝って、伊藤隼が6年目のブレークを狙う。