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ロッテ 田中靖洋投手・縁ある球団で再スタート

 



 西武から移籍した田中靖洋は一軍キャンプメンバーに入り、初日からブルペン入りした。捕手を座らせて変化球を交え、力のこもった球を投げ込んだ。「例年よりは少し早めに仕上げていきたいと思っている。アピールしなければいけないという自分の立場があるので」と汗を拭った。

 プロ10年目の昨季、9月12日の日本ハム戦(西武プリンス)で11回から救援し、1/3回を無失点で切り抜けプロ初勝利をつかんだ。自己最多の18試合に登板し、1勝1敗1セーブ、防御率1.35。だが、オフに戦力外となり、11月に合同トライアウトを受験した。参加選手で最速となる147キロの直球が目に止まり、ロッテの鴨川秋季キャンプで入団テストを受けることに。紅白戦でも147キロをマークするなど3日間のキャンプ参加でアピールし、合格を勝ち取った。

 ロッテは兄・良平さんが01〜08年にプレーした球団でもある。不思議な縁で導かれたようなテスト入団となった。

 1月には同僚の涌井、西武の岸、牧田とともにハワイで自主トレを敢行。温暖な地でしっかり肩をつくり、石垣島キャンプに入った。

 伊東監督は「今年期待している投手の一人。去年のテストのときからいい投球をしていた。シュートが持ち味の投手は少ないので、武器になると思う。中継ぎで抑えてくれればいい。ほかの投手にもいい影響を与える」と話している。

 大谷、益田、松永らの中継ぎ陣に食い込む存在として期待がかかる28歳右腕は「自分が役割を選べるわけではない。やれと言われたところをやるしかない。とにかくやるだけです」と力を込めた。まだまだやれる。それを証明する11年目のシーズンが始まる。
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