2年目右腕が飛躍の時を迎えようとしている。昨季一軍登板わずか7試合の
高木伴に注目が集まったのは春季キャンプの第2クール。臨時コーチとして訪れた前身の阪急OBである
山田久志氏から、手取り足取りマンツーマン指導を受けたのだ。「あくまでサポートとして来た」と遠慮気味に話していた山田氏だったが、昨秋にサイドに転向したばかりの高木を目の前にすると、通算284勝を挙げた血が騒いだのだろう、ブルペンでの投球後には付きっきりでシャドーピッチングも指導した。これに高木も感激。「フレンドリーで話しやすい方。リリースが長いから、一瞬で投げるようにアドバイスをもらった」と収穫を口にした。
2月9日に行われた今季初実戦となる紅白戦では2番手で登板。2回を2安打無失点に抑えた。これには見守った山田氏も「ブルペンより対バッターのほうが良かった。なかなか良いシンカーを投げる。磨けば武器になる」と絶賛。高木自身も球界を代表するレジェンドからの数々の教えを胸に、日々懸命に練習に取り組んでいる。
入団時はスリークオーター気味だったが、もともと下半身が横回転であったことと、パワーサイドがいないというチーム事情から、昨年の秋季キャンプから横手投げに転向した。提案した酒井投手コーチも現役時代はサイドの使い手。
「年齢と実力を考えてのフォーム変更。右の横手投げは貴重だし、僕が見た限りしっくりきている。チャンスを生かせれば一発ある」と期待を込めてのモデルチェンジだ。福良監督も「1枚いると貴重な存在。開幕に入ってほしい。比嘉の代わりをやってくれたら」と故障離脱中の比嘉の代役として中継ぎでのフル回転を熱望している。