久米島キャンプ最大の発見だった。ドラフト3位・
茂木栄五郎が見せるバットコントロールとスイングスピードに、首脳陣の評価は一気に跳ね上がった。キャンプ初日。打撃練習は雨のため屋内で行われたが、それでも梨田監督は「シャープなバッティングをしていて、元気モギモギだなと思いました」と得意のダジャレでルーキーに賛辞を送った。
実戦に入っても、評価は上がりっぱなしだ。実戦デビューとなった2月7日の紅白戦(久米島)、第1打席でいきなり右翼線三塁打を放つなど4打数2安打。初の対外試合となった14日の韓国ハンファ戦(金武)、16日の
阪神戦(宜野座)といずれも安打を放ち、指揮官は「最初から高いところにハードルを上げながらやったほうがいいのかもしれない」とレギュラー候補として認めている。
守備でも大きな可能性を示した。大学時代は三塁を本職に、二塁も守る程度。しかしキャンプに入ってすぐに、シートノックでは遊撃のポジションに入るようになった。可能性を探る意味合いもあるが、本人も「いろいろなところを守らせてもらって、いい機会。どこに適性があるのか、首脳陣に判断してもらいたい。プレーヤーとしての幅も広がると思う」と前向きに取り組んでいる。
開幕一軍、そして定位置奪取にはここからが本当の勝負。しかし本人は「変にいいところを見せようというのではなく、いかに自然体でプレーできるか。自然体で元気を出してやっていきたい」と肩の力を抜いた。目指すのは開幕一軍だけではなく、1年間通して一軍で活躍すること。新人野手には高過ぎるハードルも、自然体で軽やかに飛び越えてみせる。