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ヤクルト 山崎晃大朗・監督の背番号を継承する期待のルーキー

 



 今キャンプ、いい意味で最も予想を裏切ったのがドラフト5位の山崎晃大朗だ。2月6日、青木(現マリナーズ)のヤクルト入団時に監督を務めていた若松勉臨時コーチが、山崎のフリー打撃を見て「青木の1年目より上。青木以上の選手になれる」と絶賛。その技術を、メジャー・リーグでも活躍する“日本の安打製造機”と重ね合わせたのだ。

 当の本人は「恐れ多いです。自分なんてまだまだです」と言うが、若松コーチは「バットコントロールは天性のもの。内角のさばき方が抜群だし、あれだけ広角に打てる新人はいない」と評価する。50メートル5秒9の俊足と高い守備力を買われてプロへの扉をこじ開けた男が、打撃で周囲の注目を集めた。

 大学ではウエート・トレーニングを行ってこなかった山崎だが、ドラフト指名後に球団からメニューを与えられたこともあって解禁した。すると、68キロと細身だった体が現在は73キロまでパワーアップ。「特に下半身が太くなったと思います。スイングスピードが上がりましたし、飛距離も少しは伸びたと思います」大学時代にはなかった手応えを感じ始めている。

 チームの外野陣は左翼・バレンティン、右翼・雄平が当確。昨季固定できなかった中堅を上田、比屋根、オリックスから加入の坂口らで争う。厳しい戦いになるのは覚悟の上だが、山崎は「1年目から勝負だと思っています」と意気込んで、キャンプでは鬼の形相でバットを振りまくっている。

 球団からは、真中監督が現役時代着けていた背番号「31」を与えられた。指揮官も「体の割に強い打球を打つ」と“後継者”に期待している。「一軍に残れるように頑張ります」と山崎。小さな大打者を目指し、鍛錬を積む。
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