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広島 中村祐太・上昇カーブ描く3年目の右腕

 



 3年目の覚醒だ。今キャンプの一番星は中村祐太。投球を重ねるにつれ、その株は急上昇している。紅白戦で好投し、つかみ取った初の対外試合の先発。2月14日の練習試合、オリックス戦(清武)で結果を残してみせた。3回を投げ被安打は1。最速141キロの直球で攻め、無失点でしのいだ。

「緩急も使えたし、低めの制球で勝負できた。磯村(嘉孝)さんのミット目がけて投げました」T-岡田ら一軍経験豊富な選手に対しても臆することなく、腕を振った。

 キャンプ中にもレベルアップしている。キレで勝負する直球に加え、新たに取り組んだカーブ。「スピードがあるカーブですね。イメージとしてはタテスラに近い」昨秋のキャンプ中、緒方監督と畝投手コーチに「投げてみろ」言われた。試行錯誤を重ね、ようやく形になった。練習試合でも投じ、打者の反応に手応えを得た。新たな武器を身につけてアピールする。

 評価も急上昇。緒方監督は「祐太は良かったね。各打者が積極的に打ってくる中でも、キレのあるボールを投げて抑えてくれた。十分、満点の投球。ブルペンでも調子が良かったみたいだし、そのまま入ってくれたね」と絶賛した。昨秋のキャンプでアピールしてつかんだ春の一軍キャンプ。「お試し」ではない。戦力としても確実に構想に入っている。

 本人はあくまで謙虚だが、期待の大きさは感じるところ。「期待されているということだと思う。若いので、その若さを前面に出した投球をしっかりしていきたい。コンディションはいい。次戦に向けて調整をしっかりしていきたい」目標は開幕一軍。実戦経験を積むため沖縄組からは外れたが、大きな経験を得てシーズンに挑む。
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