「幕張の安打製造機」が通算2000安打に挑む。
ロッテの
福浦和也は大台まであと88本に迫っている。達成すれば球団生え抜き選手では1985年の
有藤通世以来。だが、福浦は記録よりもチームの勝利を優先する。
「勝利に貢献できる安打が打てればいい。安打を打ちたいと思うと、どうしてもボール球に手を出してしまう。どんな形でも塁に出たい。そのスタイルは変えない。欲を出さないで1打席を大事にしていきたい」と、チーム打撃を強調した。
決してエリートではなかった。94年ドラフト7位で投手として入団すると、1年目にいきなり野手に転向。そこから安打を積み重ね、2001年に打率.346で首位打者に輝いた。
昨年12月で40歳になった。「もう歳だからね」と笑う。食事を摂るとすぐに眠くなり、疲れも取れにくい……。年齢を感じることが増えたという。同い年の
巨人・高橋監督は昨季限りで引退した。1753安打でバットを置いたライバルからは「2000安打を達成してくれ」とエールを送られた。
今季、石垣島キャンプでは二軍で調整した。ランチ特打ではアップ
シューズを履いて打ち込み。スパイクだと自然に踏ん張ることができるが、アップシューズだと足の指を使って踏ん張る意識を持たないと力が入らない。下半身を使う打撃をたたき込んだ。
昨季は4年ぶりの本塁打を放ったが、73試合の出場で47安打にとどまった。
「代打じゃなくて最初から出るつもりで準備をするだけ」
開幕スタメンではなかったとしても、ペナントレースを勝ち抜くためにはベテランの力が必要になる。1勝を呼ぶ1本1本の積み重ねが快挙につながる。