昨季一軍出場わずか1試合に終わった悔しさが、念願達成の原動力となった。リベンジに燃える
山川穂高は今季、キャンプ、オープン戦とイメージどおりに結果を残し、開幕戦先発をつかみ取った。
念願叶わなかった昨季からの変化は、「考え方」だ。昨年までは一軍投手の球速、キレに相対すると、「打つべきではないところや釣り球を振ってカウントを悪くしていた」そこを修正した。
「打つべき球を打ち、難しい球は何とかファウルにする。そしてチャンスでの1本。そこにプラスアルファで本塁打がついてくればいい。大事なのは三振をしないこと。チーム打撃だけを心掛けています」
その意識がオープン戦4本塁打を生んだ。
残念ながら開幕から4試合連続先発出場も無安打。奇しくも今季も昨季と同じく、開幕から5試合目で登録抹消となったが内容は比較にならないと語気を強める。
「ボールが見えていなかった昨年、一昨年とはまったく違う。しっかりと見えている中で、僕が仕留め切れていないだけ。これを続ければ必ず打てると思っています」
得意のピアノを独学で習得したように、上手な人のやり方を見て、実践し、自分の感覚でコツをつかみ、マスターしていく才能に長けている。この4試合で
金子千尋、
和田毅ら超一流投手と対戦したことが、3年目スラッガーにとってどれほどの価値があったことか。得た感覚をベースに、しばしの二軍調整を経て、必ずや近いうちに一軍の舞台に戻ってくるはずだ。