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阪神 榎田大樹投手・存在価値を高める左腕

 



 今までにない姿を見せている。今シーズンの榎田大樹はフル回転の様相だ。開幕から貴重なリリーフ左腕として「任せられたところを抑えるだけです」と投げまくっている。

 金本阪神として初の巨人戦(東京ドーム)となった4月5日は、9回を3人で締め、開幕後6試合連続無失点の安定感を発揮した。

 金本監督も「いいときの榎田に戻ってきた。抑えてくれると助かる」と信頼を寄せる。自らの力で徐々に首脳陣の評価を上げてきた。

 今年8月7日で30歳の大台を迎える。

「今のウチのメンバーでは上のほうになる。結果が大事になると思っています」

 ベテランの域に入ってきたサウスポーは区切りを意識しながら連日ブルペンに待機する。

 プロ入りから中継ぎで貢献してきた榎田の投球に陰りが見えてきたのは3年目のシーズンから。その後の先発転向も振るわず、昨季はわずか8試合登板(防御率10.38)にとどまった。

 昨オフには自身初の海外ハワイ自主トレで走り込み、キャンプでは投げ込みにこだわった。

「下半身で粘る投球をしたい」

 実戦で猛アピールして一軍入りにこぎつけた。

 開幕3戦目となった3月27日の中日戦(京セラドーム)では6回1イニングを無失点。藤川、ヘイグの活躍の陰に隠れたが、榎田が2年ぶり勝利を挙げたゲームでもあった。打者の左右に関係なく登板できれば、存在価値がさらに高まる。居場所をつかんだ左腕が、継投のキーを握るかもしれない。
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