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中日 谷哲也内野手・思わぬチャンスを生かす

 



 思わぬ形で転がり込んできたチャンスを生かした。4月5日のDeNA戦(ナゴヤドーム)。30歳の谷哲也に与えられた役割は「五番・一塁」

「え?と思いました。でも、やるしかない。準備して試合に向かいました」

 スタメンは2014年9月21日の阪神戦(甲子園)以来、1年7カ月ぶり。それどころか、クリーンアップはプロ初。昨季は出場1試合だった谷は「クビになるかもと思っていたところで、何とか契約してもらえた」覚悟を持って臨んだシーズンだった。

 第1打席で中前打を放った。マウンドはドラフト1位ルーキーの今永。「真っすぐが速いイメージだったので、ただ、ひたすら遅れないようにしていました」真ん中高め141キロのストレートをきれいに弾き返した。直後には、プロ初盗塁も決めた。

 この日は、日本代表にも定着している平田が左股関節の痛みで出場選手登録を抹消されるアクシデントがあった。一塁のビシエドが外野へ回ったため、一塁での出場になった。

 背番号は70。竜では「崖っぷち番号」と呼ばれる。活躍できなかったら、即アウト。「毎日を必死に過ごしています」と語る。

 本職は遊撃。二塁も三塁も守る。昨季は二軍で一塁での出場が増えた。若手育成のためだった。

「念のためつくったファーストミットを一軍で使う日が来たんですね」

 瞳の奥はギラギラしていた。
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